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「竹島の日」条例と私の韓国体験 [平和]

島根県議会が「竹島の日」条例を成立させました。

※竹島問題
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AB%B9%E5%B3%B6_(%E5%B3%B6%E6%A0%B9%E7%9C%8C)

私は、95年~96年に、韓国に語学留学をしていました。ちょうど95年は、韓国にとって、独立50年の年。日本では8月15日は終戦記念日ですが、韓国では「光復節」と呼ばれ、独立の日なのです。95年の8月15日、慶福宮(昔の王宮)を塞ぐように建てられていた朝鮮総督府を解体するセレモニーがありました。私もセレモニーに参加したのですが、そこに行く途中、日本語で話をしていたら、男性からつばを吐きかけられるという経験をしました。(韓国のおじいさん、おばあさんは日本語を話すことができます。これも歴史の爪あとのひとつです。)

韓国に住む日本人にとって、「3・1節」「日帝36年」、「壬辰倭乱(イムジンウェラン)」という単語や、その意味を知っておくことは必須です。3月1日、8月15日は、韓国の人にとって大切な日であり、過去の日本に対してとても大きな怒りを持つ日です。ですから、私たち留学生は、その日はあまり外に出ません。危ない、と思うからです。

おじいさん、おばあさんをその時代に失った人たちにとっては、まだ歴史として片付けられるほど時間が経っていないのです。足を踏まれたものはその痛みを覚えているけれど、踏んだものはその痛みを想像できないばかりか、踏んだことを忘れてしまう、ということなのでしょうか。

韓国留学中に、竹島問題(韓国では独島と呼ばれています)が政治問題として急浮上したことがありました。その日、学校に行くと、韓国の友人たちが、私にこう言ってきました。「かなこ、独島は私たちの土地だ。日本に帰ったら伝えてほしい。」

韓国の新聞を見ると、どの新聞も独島問題が一面トップ。テレビのニュースでも、ずっと独島問題。金泳三大統領が、独島にいる警備隊に電話をかけて激励し、その一部始終がテレビで流れていました。日本の池田外相の人形が燃やされ、日本大使館の前では卵が投げつけられました。釜山のタクシーは日本人乗車拒否を宣言し、ステッカーをつくりました。コンビニなどで売られていた日本製タバコは、販売拒否で売られなくなりました。また、人気歌手グループ「DJ DOC」は、「独島はわが土地」という歌をリメイクし、歌謡番組や出演したイベントなどで歌いました。この時の韓国では、独島問題が一番の政治問題だったのです。

しかし、日本ではそうではなかったようです。留学先の大学の図書館で、日本の新聞を読みましたが、竹島問題の記事は、政治面に小さく載っているだけでした。韓国と日本のこの問題に対する温度差に、本当にびっくりしました。この温度差が日本と韓国の距離を遠くしているのだ、と感じたことを、今も覚えています。

さて、今回の竹島問題ですが、やはり日本ではトップニュースにはなっていません。今日のテレビニュースのトップは、ライブドアがニッポン放送株を50%超確保したことでした。

島根県議会が「竹島の日」条例を可決した背景には、島根の漁業関係者の切実な声があったのでしょう。しかし、いくら地方分権の時代とはいえ、国際問題ともなりうる条例を可決した県議会は、今後、この責任を取れるのでしょうか?加えて、今回の条例制定にあたって、徹底した議論が行なわれたような報道はどこにもありません。領有権の問題は、白か黒かはっきりせず、グレーゾーンが多い問題です。日韓友好にとって何が大切か、優先順位が必要です。島根県議会は、今本当に、この条例を可決させなければならなかったのでしょうか?疑問が残ります。


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