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改革とセーフティネット [福祉]

今日はニュージーランド視察の事前勉強。ニュージーランドの行政と政治を専門にしている和田明子さん(東北文化公益大学教員)の論文を読んでいます。
http://www.koeki-u.ac.jp/tstaffwada.html

ニュージーランドの行財政改革では、政府の役割が変化しました。改革前は経済活動+セーフティーネットが政府の役割であったのが、改革後にはセーフティーネットだけが政府の役割になったのです。

和田さんの論文でも再三、このセーフティネットについて触れています。
・「ニュージーランドでは、改革後においても、失業保険、疾病手当、障害者手当をはじめとする様々な社会保障給付や公的年金制度が充実し、人々が生活できるだけの金額が政府によって支払われるようになっている。(中略)日本とニュージーランドでは「生活に対する安心感」が格段に違う」
・「逆説的に聞こえるかもしれないが、このような政府による「セーフティー・ネット」が社会全体に存在しているからこそ、ニュージーランドでは様々な改革が断行できたとも言える」
・「ニュージーランドでいう「競争社会」とは、ルールのない弱肉強食の競争では決してなく、すべての国民が共通の土俵で競争できるように公正なルールを整えた社会であるといえる。そのような社会こそが、真の競争社会であるといえよう。」
・「日本が目指すべきは、更なる自助努力ではなく、政府による福祉サービスの拡充であろう。単なる競争型社会への移行ではなく、公正なルールに基いた真に公正な競争社会の確立である」
・「現在の日本の政党のほとんどは「どういう社会が公正か」という明確な理念を持っていないように見受けられる。(中略)それ以上に日本に特異なのは、理念に基いた政治が行なわれていない点である」

ニュージーランドは行財政改革の国という印象がありましたが、その裏にある高福祉の部分を全然知らなかったことに気づきました。

また、岐阜大学助教授の近藤真さんの論文には、99年から発足した労働党政権が、「介入主義に復活し、「経済成長における指導調整役」を掲げ、1999年からの労災保険の再国有化、所得税最高税率の引き上げ、雇用関係法の制定と労働組合の権限回復、国民銀行(キウィ・バンク)の設立を行なった」とあります。改革の現場では、トライ&エラーを繰り返し、行き過ぎたら元に戻していたのです。

ニュージーランド、調べれば調べるほど、興味深い国ですね。ちなみに、ニュージーランドは1893年(日本の明治26年)、世界で初めての女性参政権を実現した国でもあります。

夜は、週1回のハングル・コミュニティで、韓国語の講師です。今日は、第3回目。今回から簡単な会話に入ることができました。やはり、「冬のソナタ」にはまっている方は、いろいろな会話を知っていて飲み込みがはやいです。「冬ソナ」効果ですね。

しかし、語学勉強に特効薬はありません。とにかく、地道にこつこつと単語を覚え、会話を覚え、実際に使ってみる、を繰り返していくことです。明るく楽しく、頑張りましょう!


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