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チャレンジャーたち [健康・医療]

今年の5月、通所リハビリの介護スタッフをしていた時に、書いたエッセイです。

通所リハビリテーションで学んだこと。

それは、リハをする人たちのひたむきな力だ。

大体片麻痺になる人たちは、デイサービス利用者層に比べて若い。

70代前後。

若い人だと50代。

うちの父母と同じような年の人もいる。

いきなりの脳梗塞や脳内出血で麻痺が残った人たち。

トイレも、私たちの介助の手がないと用を足せない。

どんな気持ちなんだろうって考える。

全盲片麻痺の利用者さんがいる。

男性。すぐ怒る。

「俺が障害を持っているからってないがしろにしているだろ!!」

「俺は車椅子にはのらない!!」

中途障害だから、点字などはできない。

どれだけの絶望を抱えながら、彼は生きているんだろう。

最近入職した新人の40代男性が、「利用者さんを見て、自分の老後を考えてしまった」
とポロリと話した。

それはただの同情ではないだろうか?

「いろいろな障がいを持ちながらリハビリに励んでいる姿こそが私たちの老後の見本じゃないんですか」

とお返事した。

人は好き好んで病気になるわけでも、麻痺になるわけでもない。

でも、左手で文字をかく練習をする人がいる。

一生懸命、発語の練習をする人がいる。

「俺みたいな病気になるなよ」といいながら、3年間週3回リハビリに通っている人がいる。

全盲、片麻痺の中で、生きようとする人がいる。

そんな人たちを尊敬している。

実際は、彼らもストレスをためていて、いろいろな我儘をいって困ることもあるし、
命令的な口調にカチンとくることもある。

そうでもしないとやっていなけない現実があること、その現実と一番闘っているのは、
本人とご家族であることを決して忘れてはいけない。

名もなきチャレンジャーたちが今日も、リハビリに励んでいる。

それを支援できるケアワーカーでいたい。

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