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5/24 愛媛新聞に掲載 [人権(LGBT等)]

5月24日の愛媛新聞に、尾辻かな子の記事が掲載されました。

“寛容さ”も隠れた争点 マイノリティー候補
2007.05.22 共同通信

 「同性愛者には…社会と政治の壁が待っている。どうしたら政治課題にできるのか。同性愛者と言わない限り(有権者に)見えない。見える存在になって訴えたい」

 七月の参院選の比例代表に民主党から立候補する尾辻かな子さん(32)は今月十七日、都内で開いた出馬会見で「レズビアン」として国政に挑戦する意義をこう語った。

 尾辻さんは大阪府議だった二〇〇五年、同性愛者であることを公表し、差別、偏見をなくす活動を続けてきた。公認にあたっては「異性愛を当然視する保守票を失う」という反対論が党内にもあり、難航したが、その活動ぶりに注目した小沢一郎代表の意向で「セクシュアルマイノリティー(性的少数者)の代表」として擁立が決まった。

 民主党は性的少数者への“寛容さ”を示したことになるが、少数者問題では、同党は比例代表で尾辻さん以外にも、在日の元韓国籍で障害者でもある障害者権利擁護センター所長の金政玉氏を擁立。北海道選挙区では、アイヌ民族の多原香里氏を新党大地と共同推薦している。さらに、かつては外国籍で日本国籍を取得したツルネン・マルテイ、蓮舫、白真勲各参院議員を擁しており、民族などをめぐる寛容さでは実績を積んでいる形だ。

 「少数者問題をあまりにも前面に出し過ぎると逆に少数者の反発を招くのでは」(幹部)という判断からか、同党はそれほど積極的にアピールしているようには見えない。しかし、これだけ代表を擁立しているのであれば、少数者への“寛容さの度合い”が参院選の隠れた争点になっていると言ってもいいのではないだろうか。

 同性愛を禁忌とみなすことが多い伝統的宗教が国民に強い影響力を持つうえ、移民が進んだ欧米では性、民族、あるいは宗教そのものへの寛容さが政治的争点となることが珍しくない。先のフランス大統領選挙でも、移民問題だけでなく、敗れたロワイヤル候補が同性婚を容認、サルコジ大統領が反対して、性的少数者への寛容さが争点の一つとなっていた。

 国民に宗教意識が薄く、移民社会でもない日本は、もともと少数者にある程度の寛容さを持っているとの見方もある。しかし実際は、少数者側にとって立ちはだかる障害は大きい。そうしたギャップから、政治的な問題にしにくい状況だったのかもしれない。とすれば「見える存在」として同性愛への偏見、差別解消を目指す尾辻さんの立候補にはそれだけで意味があることになる。

 尾辻さんの出馬会見には、報道陣の要請で途中から、近く結婚式を挙げるパートナーが同席。そのため、テレビなどで「レズビアン候補が結婚宣言」という扱いの報道が多かったのは、本人たちの本意ではなかったのではないか。

 同性愛者候補に対する自民党の反応はないが、安倍晋三首相の「美しい国」への感想を尋ねられた尾辻さんは「わたしたちは『美しい家族』からこぼれ落ちている」と答えている。尾辻さんの出馬の意義を真剣に受け止めるべきではないだろうか。(共同通信編集委員 柿崎明二)


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