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モスクワプライド続報5 [人権(LGBT等)]

モスクワプライドの件に対し、ロンドン市長、パリ市長が非難のコメントを寄せています。

ロンドンのケン・リビングストン市長は次のような声明を発表しました。
「ロシアの人々はナチスの弾圧を受けた際、他のどの国よりも犠牲者が多かった。ナチスはが迫害したのはユダヤ人、ソビエト市民だけではない。同性愛者も迫害されていた。今回モスクワで起きたファシストやナチスの人々によるゲイやレスビアンに対する暴力的弾圧は、ナチスと戦ったすべての人々の記憶、特に、ファシズムとの戦いで命を落とした2700万人のソビエト市民の死を踏みにじる行為だ。ロシア正教、イスラム教、ユダヤ教の指導者らが、平和的に行われるゲイプライドマーチを禁止することを支持しているが、これは時代遅れの極端な保守的反動主義だ。モスクワ市長はゲイやレズビアンの人たちが平和にデモンストレーションをする権利を守るべきだ。

私は同性愛者の人権を否定しているモスクワ市長とポーランド大統領(前ワルシャワ市長)の姿勢に強く抗議する。また、これらの動きを支持している宗教指導者に対しても抗議する。欧州議会は2006年の1月18日に同性愛嫌悪に反対する決議をしたが、これを心より支持する。すべての人に同性愛嫌悪的な発言や行為、また同性愛嫌悪から起こる暴力を非難し、断固として反対するよう求めたい。レズビアンやゲイの人たちの人としての尊厳はすべての人に認められるべきであるし、市民としての彼らの安全がしっかり守られるよう要求する。」

パリのベルトラン・ドラノエ市長も、モスクワ市の姿勢を「許されないもの」とし、「人権の尊重、個人のアイデンティティの尊重に対する非常に重大な攻撃であり、民主主義国家の原則に反している」と厳しく非難しています。

また、暴行を受け流血している写真がニュースとなったボルカー・べック国会議員の住むドイツでも、国民のモスクワ市の対応に対する批判が高まっています。6月2日にはベルリンのロシア大使館、また、ミュンヘン、ハンブルグ、ボンのロシア領事館で抗議活動が行われる予定です。

このような厳しい批判を受けているモスクワのユーリ・ルシコフ市長自身は、火曜日にモスクワのラジオ局のインタビューで次のようなことを語ったそうです。
「私たちの文化、伝統、道徳はすぐれている。西洋は私たちから学ぶべきことがあるはずだ。西洋諸国はこのような狂気にみちた猥褻さにとらわれるべきではない。」
同性愛者が無名戦士の墓に献花しようとしたことについては、
「これは挑発だ。聖地に対する冒涜だ。同性愛者がそんなことをしようものなら、もちろん人々が止めに入るだろうし、暴力をふるうだろう。」とコメントしています。
マーチを「すべての人の安全が保証できないため」という理由で禁じたルシコフ市長の姿勢は、行政府の長としての義務を放棄しており、また彼自身の同性愛にたいする偏見が暴力を正当化し、暴力に火をそそぐ結果にもなっていることに非常な怒りを覚えます。

参考記事
http://www.gayrussia.ru/en/actions/detail.php?ID=5231
http://www.gaynz.com/news/default.asp?dismode=article&artid=3510
http://www.pinknews.co.uk/news/politics/2005-1603.html
http://msnbc.msn.com/id/13052412/

(要約 細見由紀子)


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