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スイスの国民投票 [人権(LGBT等)]

2005年6月5日、スイスでは同性パートナーの法的保障に対する法律が、国民投票にかけられ、58%の賛成により成立しました。(スイスは直接民主制という制度により、国民が国民投票を提案する権利を持ち、直接投票により決めることができます。)
私が「スイスは素晴らしい、58%という過半数の人が、当事者ではないのにこの制度に賛成をしたのだから」といった時、スイスの友人はこう答えました。「違う、スイスでも最初は抵抗にあった。それを運動が変えてきたのだ。スイスは何でも進んでいる国ではない。女性の参政権を認めたのは、1970年代になってからだよ。どこも同じだよ。」

今回の会議の中で、いろいろな人にスイスの動きを聞くことができました。簡単にですが報告をしたいと思います。

1995年 同性パートナーにも年金についての平等を求める署名活動。85000人の署名が連邦議会に提出される。

1997年 5月31日、6000人のゲイやレズビアンが集まって新しい連邦憲法に同性パートナーシップの権利を与えるよう求める。

1998年 12月 イニシチアティブを取る政治家が二人、国会に選ばれる。Jean-michel Gros と Ruth(手元資料にはRuthとしか書いていませんが、後に法務大臣となるRuth Metzlerのことでしょうか)二人は、同性パートナーの法的保障を求める。

1999年 連邦議会がJean-michel Gros による発議を認め、議会として同性パートナーの法的保障について取り組みをはじめる。
9月18日 6000人のレズビアンやゲイやその仲間たちが首都ベルンに集まり、「YES, WE WILL」のスローガンの元、何百もの署名が書かれた巨大なピンクのボールを連邦議会まで運ぶデモンストレーションを行う。

2000年 スイス連邦議会が同性パートナーの法的保障について新しい法律を導入することを決定する。

2001年 法務大臣Ruth Metzlerが立法に尽力する。

(写真右側、左側は同じく立法に尽力した家庭省大臣のRuth drelfuss)

2003年 レズビアンの組織LOSとゲイの組織ピンククロスが「YES to the same sex law」という新しい団体をつくる。連邦議会のthe first chamber(第1議会?おそらく国民院)が同性パートナーの法的保障を認める。

2004年 the second chamber(おそらく全州院。スイスは2院制)が同性パートナーの法的保障を認める。このまま、だれも国民投票を求めず、5万の署名を集めなければ法律は発効されるが、キリスト教の原理主義者たちが6万7千通の署名を集めて、同性パートナー法に反対した。

10月23日、6000人のゲイ、レズビアンやその仲間たちが首都ベルンに集まり、「READY,STEADY,GO FOR THE SAME SEX LAW」の集会をする。「YES to the same sex law」が国民投票に向けた準備にかかる。



テレビのニュースにも取り上げられる

キャンペーンの様子

まちに貼られた賛成(下)、反対(上)両者のポスター。

2005年 6月5日 58%の賛成を持って法律が誕生。10年の闘いが喜びとともに終わる。

喜ぶ関係者たち

2005年、Luzamでのプライドパレード。
ありがとうのボードを持って。

(以上はスイスでの説明、英文を私が意訳したものです。完全に正確なものとはいえませんので、ご了承下さい。)

関連記事として、ジュネーブ在住の松永尚三さんのエッセイをご紹介します。
http://www.matsunaganaomi.com/v1/yomumado/index.php?page=sEssay&categorie=200507

注 松永さんのコラムの中にでてくる、Marianne HUGUENINさんは、レズビアンであることをカミングアウトした議員です。ワークショップでの彼女の講演もまたブログで紹介します。


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